フランス語には男性名詞と女性名詞があります。
冠詞で区別するので、英語の「the」「a」よりも少し複雑な感じです。
今回は、そんな男性名詞と女性名詞のトラップに、自らはまってしまったというエピソードです。
フランス語は男性名詞と女性名詞に分かれる
まずは、簡単に説明を。
大前提として、
- 本➔男性名詞
- 車➔女性名詞
こんな感じです。
とはいえ、ここで抗うと全然前に進めなくなるので、「へぇ〜、フランス語ってそんなもんなんだ〜」と軽く受け止めるほうが早いです。(経験談)
で、次のステップとして「定冠詞と不定冠詞はどうなるんだ?」っていう話になります。
英語の場合で考えてみると、定冠詞は「the」、不定冠詞は「a」、「本」と言いたいときは、the bookとa bookですよね。
しかし、フランス語はその「the」と「a」が2種類ずつあるんです。
そしてその2種類をどう使い分けるかというと、「その後に続く名詞で判断する」という仕組みです。つまり「男性名詞」「女性名詞」それぞれに違う形の「the」「a」が用意されているので、使い分けてくださいね、というルールなんです。
定冠詞の男性名詞と女性名詞は「le」と「la」、不定冠詞の男性名詞と女性名詞は「un」と「une」で表します。
例えば、「本」と「車」だと、こうなります。
- 本:le livre / un livre 男性名詞
- 車:la voiture / une voiture 女性名詞
そう。本 livreは男性で、車 voitureは女性なんです。
なんでー??ってなりますよね。その単語のイメージで、女性的なあるいは男性的だと判断できれば簡単なんですけどね。それがなかなか一筋縄ではいきません。女性的男性的の感覚もいろいろですし。
ですので、「le livre」「un livre」のようにセットで覚えてしまいましょう。
というのが、フランス語の男性名詞、女性名詞です。
Fnacは『La』なのでフランス語では女性名詞
と、そんなある日のこと。
Fnac(フナック)という小売店(書籍、CD、DVD、ゲーム、家電、家庭用品などを売っている)の話になり、
と、言われました。
いくら、単語と一緒に冠詞を覚えることに慣れてきたとはいえ、さすがにプチパニック。
書いても読まない「h」や「s」、そんなルールもあるフランス語。
ああ、これもその類かと思って「La Fnac」で覚えていました。最近まで。
で、このブログを書くために、改めて、Fnacのことについて調べてみたんです。Wikipédiaで。そしたらなんと...
La Fnac (appelée à l'origine « Fédération nationale d'achats », puis « Fédération nationale d'achats des cadres » est une chaîne de magasins française spécialisée...
「fnac」というのは最初はFédération nationale d'achats(国民的購買連盟)だったもので、その後にFédération Nationale d’Achats des Cadres (マネージャーのための国民的購買連盟)の略だという。
Wikipédia
FnacのLaは、La boutiqueではなく、女性名詞であるfédérationの、La fédération nationale d'achats...からきているんじゃないだろうか...。
スイスフランス語圏出身の友人に確認してみました。
Fnacに関しては、
という回答。
明確な理由は、分からず。残念。
スイス&フランスのスーパや百貨店のフランス語冠詞を徹底調査
ということで、スーパーや百貨店などをリストアップして検討してみることにしました。
- La Fnac
- La Migros
- La Coop
- Globus (←「なんで冠詞がないのか、謎」by スイス人)
- Le Printemps de Paris
- Manor (←「なんで冠詞がないのか、謎」by スイス人)
- La Placette
- Denner (←「なんで冠詞がないのか、謎」by スイス人)
- le Super U
- le Géant
- Carrefour (←「なんで冠詞がないのか、謎」 by スイス人)
La société Migros est fondée sous la forme d'une société anonyme en 1925 par Gottlieb Duttweiler qui désire alors offrir au consommateur des produits de première nécessité aux prix du marché de gros en supprimant les intermédiaires (d'où le nom Migros, la moitié en prix de détail et l'autre prix de gros)
Wikipédia
当初の流れだと、「le magasin de」「la boutique de」「la supermarché de」くらいで分けられるのかなーと思っていたのですが、大間違いでした。
隠れている単語の性別が違ったり、ましてや冠詞がないものもある。
「最近は、あまり冠詞をつけるのは流行りではかも」という話も出たけど、なるほどー、そういう時代の流れもあったりするのかな。
番外編〜日本のコンビニ
ちなみに、日本好きの友人からこれもあるよ〜と教えて
- le family mart (← 日本のコンビニのような小売店のことは、"magasin", "petit magasin" と言うそうで。それなら、le magasin de family martでいけるのではなかろうか、という仮説)
- le lawson
- le seven eleven
生活圏のことを考えれば、上のスーパーやらをさっと言えていれば問題ないと思いますが、その仕組みがおもしろくて気になってしまったが最後、完全に深みにはまってしまいました。
友人ともども、何か進捗あれば報告会、という話で一旦落ち着きました。