こんな質問にお答えします!
私がディクテーションを知ったのは、フランス語留学先の学校でした。
初めての勉強法だったので戸惑いましたが、それでもほぼ毎日そして必ずテストに長文で出題されることで慣れていき、リスニング力もぐんとのびました。
ディクテーションはフランス語に限らず、もちろん英語のリスニング強化の勉強法としても効果的です!
というわけで今回は、
- ディクテーションのやり方やコツ
- ディクテーション教材の選び方のポイント
などを解説します。
「ディクテーションに興味はあった」「もうやってるけど、いまいちやり方がつかめていない」という方、ぜひ参考にしてみてください。
ディクテーションとは?
ディクテーションは、いわゆる「書き取り」学習のことです。
「聞く、話す、読む、書く」の4技能のなかで「聞く=リスニング力」を伸ばすのに効果的といわれています。
その具体的な効果は『ディクテーションの効果は?英語リスニング力が伸びる理由を解説!』にまとめていますので参考にしてみてください。
では、やり方やコツを細かくみていきましょう。
ディクテーションは初級レベルでも大丈夫?
ディクテーション専用の教材も初級レベルの方に対応しているものもありますし、ディクテーション専用でなくとも英語音源であればディクテーションに利用できますので初級レベルの方でも学習することはできると思います。
なぜならディクテーションは、今のあなたの英語の弱点に気づいて、そこから正確さを固めるという作業だからです。
また、単語や語彙を全く知らないと聞き取ることもかなり難しいのは想像できますよね。
英語そのものや英文法の知識がなければ解答することができないので、ディクテーションそのものが成り立たないんです。
ですので「英語がまったく分からない、一言も聞き取れない」「英文法を完全に忘れた」という方には、ディクテーションはおすすめしません。
まずは、中学英語文法のやり直しに当ててみましょう。
文法の基礎を確認し、その学習中の例文に出てくる単語をどんどん覚えて語彙を増やしましょう。
中級&上級レベルならより幅広く学習できる
中級、上級になればなるほど、特に外国のサイトも含めオンライン教材の選択肢が広がってきます。
ディクテーションに必要なもの・用意するものは?
ディクテーションに必要なものは、どのように書き取るのかによります。
ディクテーションの書き取り方法には大きくわけて次の2つがあります。
- 手で書き取る
- タイピングで入力
どちらが良いのかはあなた自身の好みをまず優先に考えてよいと思います。それぞれの特徴を簡単にお話します。
紙とペンで書き取り!派の方
実際に手を動かし五感をなるべく使って作業したい方、より集中できる方は、紙とペンがおすすめです。やはり手で作業を行うと記憶の定着率が高い気がします。
今は紙ではなくタブレットとペンシルでという形もありますね。
ちなみに、ディクテーションはスピードも必要になってくるので、私は紙とペンの相性のいいものを見つけていました。
小さなことではあるのですが、ペンが紙の上をスムーズにすべることで単語も書きやすくなりストレスも多少減ります。
タイピングでお手軽に!PC、スマホ、タブレットを利用
キーボード入力で書き取る方法です。
PC、スマホ、タブレットがツールとなります。サイトやアプリなど対応しているものがたくさんあるし、やっぱり空いた時間に手軽にできるところは魅力的です。
ちなみに、タイピングで文字入力するときにぜひやってもらいたいことがあります。「予測変換機能」の変更です。
スペルや文法を練習しているのに自動でその単語を予測されては、せっかくの書き取り練習が意味のないものになってしまいますよね。
なので、キーボードの外国語予測変換・自動修正・スペルチェックなど、自動チェック機能を非表示にしてからディクテーションを始めてください。
(※穴埋め式の問題であれば非表示設定は必要ないと思います。)
イヤホン
さらに、イヤホンを使用してしっかり集中できるようにするのもおすすめです。外出先でも周りの音が気にならずに取り組むことができます。
ディクテーションにおすすめの教材は?
教材は、「ディクテーション対応のアプリやサイト」「YouTube動画」「専用の本教材」があります。
アプリやサイトは無料で使えるものも多くあります。
ディクテーション対応教材を利用するメリットは、書き取りの作業に集中できる環境があることです。
たとえば、スピードの種類、繰り返し設定、スクリプトなど、ディクテーション学習に必要なものが準備されています。ですので、ディクテーション初心者の方は、ディクテーション対応の教材から始めてコツをつかんでみましょう。
慣れてくれば、手持ちの教材(※オーディオ付き(ダウンロード/CD-ROM)や、好きなYouTube動画で学習するのもいいですね。
スピード調整や一時停止などは自分で行う必要がありますが、自分の好きな教材を自分のペースで進めることができるので、楽しく続けられます。
教材の選び方のポイント
- レベル:教材を読んだときに内容がざっと7~8割分かるものであればOK
- 長さ:英文の長さは、長すぎず短すぎない程度。たとえば、30秒から1分以内の英文だと集中力もきれにくくていいかと思います。(短文形式だと1文が5秒から10秒くらいのもの)
- 【必須】音声があるもの
- 【必須】読み上げる英語のスクリプトがあるもの
ディクテーションの教材【穴埋め式】【全文書き取り式】どちらがいい?
教材によって形式がちがいます。私の経験上、どちらが良いか迷ったものなどを取り上げてみます。参考にしてみてください。
穴埋め式の教材
聞いて書くというディクテーションに全く慣れていない初心者には穴埋め式がおすすめです。
穴埋め式だといきなり全文書き取りのプレッシャーがないので、ストレスなく始められるかと思います。
またリスニングが苦手な方は、穴埋め式で内容のレベルをあげていく → 慣れてきたら書き取り方式で挑戦するというやり方もおすすめです。
全文書き取り式の教材
ディクテーションに慣れてきたら、【全文書き取り式】にも挑戦してみましょう。
スピードを調整しながら、ある程度のプレッシャーをかけながらやるのもさらなる上達のコツだと思います。
ディクテーションの教材【短文のみ】【長文】どっちが良い?
初心者で慣れるまでは【短文のみ】で始めるとストレスも少なく継続して学習することができると思います。
中級以降は【長文】でその章のコンテクストを考えながら書き取りするのがおすすめです。前後の意味のつながりを考えながら、今書き取りしている文の構造や意味するを意識します。
ディクテーション教材【手書き】【タイピング】どっちが良い?
先ほどお伝えしたように、体を使いながら学習する方がいいならペンの手書きで。そのこだわりはあまりなく、気軽に続けたいならタイピングがおすすめです。
好みや進め方は人それぞれなので、どちらか悩む場合は一度両方試してみるとすっきりすると思います。
ディクテーションの目的を達成できることを念頭に、自分が継続して取り組めそうな方法を選んでみてください。
英語やフランス語のディクテーションアプリやサイト・教材をまとめてみましたので、実際にどんな教材があるのか見てみてください。
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ディクテーションのやり方とコツ
ディクテーションは、シンプルに次の3つのステップで行います。
- 聞く
- 書く
- 確認する
アプリやサイトによって形式や構成が多少ちがうと思いますが、どれも3つのステップが基本です。
基本的には、各教材で提案している方法で学習して大丈夫です。
それにプラスアルファで、別のやり方やそのポイント&コツなどを、私の経験をもとにまとめてみました。
今の学習方法が不安になったり、少し違うやり方を試したいときなど、参考にしてもらえると嬉しいです。
ステップ1. 聞く
次のやり方がおすすめです。
- 出題内容を通しで聞いてみる
- スピードは「普通→ゆっくり」の2段階で
おすすめ1. 出題内容を通しで聞いてみる
ディクテーションでは、読み上げが始まったら書き始めてかまいません。
ただその速さや流れに圧倒されて、なかなか聞き取れないこともあると思います。そんな時は、まず最初に、出題内容を通しで聞いてみましょう。
文全体の内容をイメージするチャンスが増えて、続く書き取りの作業に集中できると思います。特に長めの文章のディクテーション問題の場合におすすめです。
私はこの通しのリスニングをする場合、聞き取れなかった単語があったら、それを頭に留めておきました。書き取りの時に焦らないための心の準備です。
「あ、今の単語よく分かんなかったな。3文目あたりに出てきたな。」こうやって意識しておくことで、本番の書き取りのリスニングの時に、より注意して聞くこともできます。
やり方おすすめ:リスニングのスピードは「普通→ゆっくり」の2段階で実践してみる。
もちろん、自然なスピードで書き取りができるのがいちばんの目標です。
ただし、それができるようになるまでスピードの調整をしながらディクテーションを進めていくのも有効な手段です。
2段階で読み上げられることで、1回目で聞き取れなかったものを再確認することができます。
オーディオ、YouTubeだとスピード調整ができますし、ディクテーションアプリやサイトにもスピード調整が設置されているものも多いです。
それをフルに活用してみてください。
ステップ2. 書く
「聞きながらどんどん書き取る」これが基本です。
耳に入ってきたものを、文全体の意味をイメージしながら、どんどん書き出していきましょう。
次に、ディクテーションでよくあるミスをまとめました。このあたりを気をつけながら書いてみるといいと思います。
ディクテーションでよくあるミス [英語編]
- 三単現の「s」を忘れる
- 「l」と「r」「b」と「v」などの聞き取り間違い
- スペルミス
- 音の変化 (単語がつながって別の音を生む)
- 発音のときにおちてしまう前置詞や冠詞の書き忘れ
- 大文字小文字の違い
ディクテーションでよくあるミス [フランス語編]
- 書くけど読まない「s」
- 女性名詞につく形容詞の「e」
- 過去形で女性名詞を目的語にとる時に過去分詞につける「e」
- 同じ発音でもスペルがちがう「il」「ils」「Tu as」「Il a」
やり方おすすめ:何回聞いて、どこまで書き取れればいいのか?
教材での読み上げは、1回から2回がほとんど。
それでもなかなか聞き取れない、書き取れないものが多いときは、どうすればいいでしょうか。
レベルを変えてみるのもひとつの手ですが、まずはリスニングの回数を増やしてみるのもおすすめです。
ディクテーションには「○回で聞かなきゃだめ」という厳格なルールはありません。ただ、3~5回ほど聞けばもうこれ以上何度聞いても同じ...という状況になると思います。なので、そのくらいでも良いかと思います。
もしくは「自分が納得するまで」「分からないところが聞こえてくるまで」というのもひとつの案です。ただし、こだわりすぎて聞こえないことにストレスを感じないようにしましょう。
聞き取れなかったからといってすぐに採点をするよりは、なにか聞き取れるまで聞いて、文の意味や構文から察しながら自分なりに解答してから採点した方が確実に力になると思います。
すぐに採点するほうが楽だし、それはそれで分かった気にはなるんですけど、やっぱり何かしらトライして書いたほうが身になります。
その方が自分の弱点に気づけるし、悔しい思いも手伝って次に活かしやすくなると思います。
やり方おすすめ:見直しのポイント
採点前は最終確認をします。
見直しのポイントは「全体の意味を考えながら、自分の書き取った文章の文法や単語のスペルに間違いはないか」などです。
この点を意識しながら、自分の解答が正しいかどうかを確認します。
ステップ3. 確認する
やり方おすすめ:スクリプトで確認・自分の弱点を知る
スクリプトで答え合わせをしたあとは、自分の間違いの原因をしっかりと確認して検証してください。
新しい単語だったのか、スペルミスなのか、文法的な間違いなのか、リエゾンなどの発音のルールなのか、などいろいろとあるはずです。
自分でも驚くほどに凡ミスが多かったりしてがっかりすることもありますが、それがあるからこそ、次に間違えないように気をつけることができます。
語学上達は、そんな小さくて地味な努力の積み重ねでできています。
ここでしっかりと自分の弱点を知ることで、それを補う作業ができます。ここがディクテーションをやる醍醐味だと思います。
意味をイメージしながら注意深く聞き取る癖がつく、そして、書き取りで自分の英語の正誤の確認ができるのです。
余裕があれば:通しでもう一度全体を聞く&声に出して読む
答え合わせをして自分の間違いを確認した後、再度通しで聞いてみるのもおすすめです。さらに、あなた自身も声に出して一緒に読みあげると効果的です。
ディクテーションでインプットした知識を、次は実際に声に出して音源と一緒に発音します。
短時間で集中して、しかも繰り返し学習したので、音と文字のつながりがより感じられると思います。
ディクテーションのコツ Q&A
ディクテーションに関してよくある質問と私自身の体験も踏まえた一例をまとめてみました。ぜひ試してみてください。
ディクテーションを成功させるコツ・注意点
ディクテーションの効果を最大限に引き出すコツは
- 聞き取れなかったものを空白にしない
- 「答え合わせして終わり」にしない
聞き取れなかったものを空白にしない
ディクテーション中に聞き取れなかったところを空白のままにしておくのはもったいないです。なぜなら間違いも分析するのに大切な要素だからです。
空白の解答欄に赤で正しい答えを書くより、間違ったつづりを訂正する方が、自分特有の間違いに気が付きやすく次に活かせます。
- その単語を知らなかったから聞き取れなかった?
- 音の変化のルールを知らなかったから聞き取れずに、正しくつづれなかった?
このように原因を突き止めやすくなります。
ということです。伸びる可能性しかありません。
なので、その時聞き取れなくて自信がなくてもまず解答してみてください。
「答え合わせして終わり」にしない
ただ答え合わせをして終わらせてしまってはまったく意味がありません。
聞き取れなかった箇所、スペルを間違った箇所を把握したあとは、正しい英文を見ながら間違った箇所を重点的に読み上げます。
- リピート(音声を聞いてから声に出す)
- オーバーラッピング(音声と同じタイミングで声に出す)
この2つをくりかえすことで、英語の音を身に着けていくことができます。正確に発音ができれば聞き取れるようになっていきますので、リピート、オーバーラッピングで苦手な音を克服していきましょう!
ディクテーションのやり方や方法・コツのまとめ
今回は、ディクテーションのやり方・コツを解説しました。
- レベルは初心者〜上級者までOK。ただし、中学英語程度の知識はあったほうがいい。
- 用意するものは「紙とペン派」か「タイピング派」かで違う。
- 教材選びのポイントは、教材を読んだときに内容が7〜8割ほど分かるものを。
- 教材の使い方は、まずはそれぞれの指示通りに行うのがいい。別の方法で試したりすることもできる。
などをポイントとしてお話ししました。
リスニング力をのばし、自分の文法的な弱点をみつけて補うことにつながるディクテーション。いろいろと試しながら自分の学習スタイルをみつけてください。