こんな質問にお答えします!
Dictation(ディクテーション)とは、簡単にいうと「聞こえてきた文を書き取る」ことです。
英語・フランス語、あなたの学習言語の文を聞いて、意味を汲み取りながら同時に一字一句正しく書き取っていく、外国語学習方法のひとつ。
とはいえ、なんとなく想像はできても、学校の授業でやったことはないしピンときませんよね。
というわけで今回は、
- ディクテーションで伸ばせるスキル、期待できる効果は?
をメインにお話します。
ちなみに、私が初めてこの学習法を体験したのは、フランス語の語学学校でした。今は英語学習にも活用しています!
「ディクテーション、気になっていたけど自分に必要かわからない」「新しい学習法に挑戦したい」という方へ、ぜひ参考にしてみてください。
ディクテーションで伸ばせる力、効果は?
ディクテーションをやってみることで、次のような効果が期待できます。
- リスニング力が伸びる
- 文法や単語の正確さを意識する感覚を養う
- 自分の苦手なところ、得意なところがわかる
- 単語力アップ
効果1. リスニング力が伸びる
ディクテーションでいちばん期待される効果は、リスニング力の向上です。
なぜかというと、ディクテーションはとにかく集中して聞くという作業だからです。
ディクテーションの流れを簡単に説明すると、
- じっくりと集中して聞く
- 意味を考えながら書き取る
- 何度か書きながら聞き取れないところが浮き彫りになる
- 答え合わせで間違いや聞き取れなかった単語を確認
このような流れで、英語の「音」と「文字」と「意味」をリンクさせて書き取っていくので、ひとつひとつの音に敏感になるわけです。
これが積もると英語の音に慣れていくので、英語聞き取りの土台ができます。
将来、速くて長い英文を聞き取るときにも大事な基礎力です。
ディクテーションのくわしい取り組み方は、ディクテーションのやり方は?の記事で解説していますので参考にしてみてください。
ほかにも、ディクテーションは「音の変化」に敏感になれます。
例えば、
- Where did you put that?
この赤字部分の「 t 」の音はほとんど聞こえてきません。あえてカタカナで書きますが、「プッ」「ザッ」というように「ト」ではなく「ッ」で発音されるんですね。
単語同士の一部がつながり、別の音を生むというのは...
- I used to live in a big city.
「e」と「i」、「n」と「a」がつながって、「リブ イン ア」ではなく「リヴィンナァ」のような発音をします。
このような音の変化が聞き取れているか、を確認するのにディクテーションが使えるわけです!
「音の変化のルール」を知っているかどうかは、今後速い英語を聞き取る&流暢に話すに大きく影響します。
もし、「音の変化」といわれてもピンとこないなら、先にリスニング教材で学んでおくのがおすすめです。まとめて解説してあるので効率的です。どんなルールがあるのか認識するだけでも、ディクテーションが楽になるでしょう。
効果2.文法や単語の正確さを意識する感覚を養う
「集中して聞いて書き取った!よし、確認もOK!」そう思っていても、答え合わせをすると愕然とすることがあります。結構いろいろと落としているんです。
英語であれば、例えば
- 三単現の「s」
- 「l」と「r」「b」と「v」などの聞き取り間違い
- スペルミス
- 音の変化 (単語がつながって別の音を生む)
- 発音のときに落ちてしまう音
- 発音のときにつながる音
- 大文字小文字
フランス語であれば、
- 書くけど読まない「s」
- 女性名詞につく形容詞の「e」
- 過去形で女性名詞を目的語にとる時に過去分詞につける「e」
- 同じ発音でもスペルがちがう「il」「ils」「Tu as」「Il a」
などなど。
口頭だとさほど気にしなくていいところが、ライティングになるとすべてNGになるんです。
知識としては十分に理解しているはずの文法も、書いてみると意外となにか不足していたりします。
なのでディクテーションは、"その理解しているはず"の単語や文法を書き取って、自分の間違いから、正しい単語や文法を改めて意識し身につけていく、という作業だと思っています。
文の意味をイメージしながら書きとることで、構文、文法、単語力なども総合的にのばすことにつながります。
現在は、SNS投稿やビジネスメールでも英語を「書く」場面が多くなっています。スペルや文法チェック機能アプリも活用できますが、ディクテーションで「自分で判断できる力」を鍛えていくのも必要だと思います。
効果3. 自分の苦手なところ、得意なところを知ることができる
自分の書き取り解答をチェックすると、例えばいつもミスをしてしまうところなどが浮き彫りになります。
たとえば、音の変化(音のつながり、冠詞や前置詞が聞こえる聞こえない)などがディクテーションでよく間違われるところです。
自分の弱点を知ることで、そこを補う学習をすればいいので、効果的に語学力アップを狙えるとおもいます。
逆に、自分の得意なところも分かります。
ディクテーションは、自分の文法的な弱点と、逆にきちんとアウトプットできているところも認識できるのが嬉しいところ。
この作業を丁寧に積み重ねていくことで、次回以降のディクテーションで、自分の書き取る文を客観的にチェックする力ついていきます。
効果4. 単語力アップ
ディクテーション中に新しい単語がでてくることもあります。
これは単語力アップのチャンスですよね。
初めて聞く単語なのでスペルもわかりませんが、ふだんディクテーションで意識している発音とスペルの知識をフルに活用して、それがどんな単語なのかを書いてみることもできます。
あわせて、文の内容からどのような意味の単語なのかを念頭においておきます。
そうすると答え合わせのときに、その新しい単語がしっかりと頭のなかにはいってきます。
単語の音、スペル、意味をリンクさせることで単語力アップにつながります。
ディクテーションの効果は?英語リスニング力が伸びる理由を解説!
今回は、ディクテーションの効果というテーマで解説しました。
ディクテーションとはいわゆる「書き取り」のことで、期待できる効果は
- リスニング力が伸びる
- 文法や単語の正確さを意識する感覚を養う
- 自分の苦手なところ、得意なところを知ることができる
- 単語力アップ
日本では馴染みの薄い学習法ですが、こつこつやることでリスニング力アップの効果が得られるはずです。
具体的なディクテーションのやり方、ディクテーションにおすすめのアプリ・サイトの記事も参考にして、あなたに合う教材でディクテーションを試してみてくださいね。